『1月効果説』という言葉を聞いたことがありますか?
毎年1月の為替寄り付き値と大引け値の結果が、その年の為替動向を表すという説です。
つまり、1月の初日営業開始直後に成立した値より1月の最終営業日の最後の値が小さくなった場合は、その年は円高に進む傾向が強く、反対に、初日営業開始時直後に成立した値より月末の最終取引の値が大きくなった場合は、円安に進む傾向が強いということです。
思わず、「えっ、本当???」と疑ってしまいますよね。
実際のところ、1月効果説がどの程度信憑性があるのか気になりませんか?
そこで1月効果説の信憑性がどれほどあるのかを、1973年に変動相場制となった以降のデータを基に調べてみました。下図は、各年の対ドルと対ユーロの為替動向をグラフ化したものと過去に発生した主な出来事を表にしたものです。
■図1.対米ドル為替動向※データ期間1973年~
■図2.対ユーロ為替動向※データ期間1999年~

■表1.過去に発生した主な出来事

対米ドルでは、1974~2010年の38年間で実に24回において1月効果説が実証されました。その確率は約62%です。対ユーロでは1999年以降の12年間で実に8回において1月効果説が実証され、その確率は約64%になりました。近年騒がれた100年に1度の金融危機の他にも、過去には経済や金融を揺るがすような大きな出来事(※表1を参考)が多く発生しているにもかかわらず、両者ともこの確率です。1月効果説は信憑性があるといってもいいのではないでしょうか。
それでは、1月効果説の信憑性が確認できたところで、2010年の為替動向をみてみましょう。
2010年1月、対米ドルの寄り付き値は92.38円、同月の大引け値は90.27円でした。1月効果説の通りになるとすれば、今年は円高で幕を下ろすということになります。実際はといいますと、同年11月1日には80.21円をつけ約15年半ぶりに高値を更新しました。同月3日に米連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和決定を発表後、経済指標の改善から米国の長期金利が上昇しました。それにともない、日米の金利差拡大が為替相場に影響を及ぼし、11月半ばの円相場は83円台まで下落しましたが、12月の大引けは81.32円でした。対ユーロに関しては同年の1月の寄り付き値は133.08円、同月の大引け値は126.06円です。こちらも傾向としては円高傾向であることが明白ですね。ユーロは同年8月25日に105.44円を付けた以降少しずつですが円安に向かい、12月の大引けは108.73でした。欧州不安によるユーロ売り円買い取引活発化、北朝鮮による韓国砲撃などの国際社会の不安定要素が残るなか、2010年においても同説が実証されました。
それでは、2011年はどうでしょう?
年が明けても、まだまだ世界経済は中国をはじめとした新興国やアメリカの景気に頼らざるを得ないという見方が強いようです。来年は、中国バブルの行方とアメリカの長期金利の動向を注目してみましょう。昨年11月にアメリカが決定した金融緩和がきっかけにアメリカ国内の景気が回復し、その結果利上げを行うようになれば、日米の金利差拡大により円高に終止符が打たれる日が来るかもしれません。今年の為替動向予測の参考に、今月の大引け値のチェックもお忘れなく!
